花びらの旅
去年のさくらの作品撮りより。
堕ちたさくらの花びら。
小雨と晴れ間と寒風吹き荒ぶ寒い日でした。
濡れた冷たい地面に横たわって
この世の最後の景色はこの空なんだなぁと、灰色の厚い雲の隙間に見える光や蒼い領域をぼんやり虚ろに見た記憶。頭の中はリセットされたみたいに真っ白で、一瞬自分が誰かわからなくなった。
小学校の時、放課後先生の片付けを手伝ってて、不要になった紙芝居や絵本を頂いた中にあった『花びらの旅』という物語。
さくらの花から風に吹かれ離れた花びらは沢山の旅と出会い、経験を経て、最期は傷付き堕ちてそっと目を閉じるというお話でした。
子供心に、死生観というか
いのちの終わりとは何かを考えさせられたと同時に、読む度に涙が出て止まらなかったのを覚えています。
さくらの作品を撮りながら、いつのまにか花というより散り堕ちてゆく花びらに感情移入していました。
今年もあと数週間でさくらの便りが来る季節になりました。
また今年さくらの作品を創る機会があったらどんなふうに感情移入していくのかな。さくらの中に何を見つけるのだろう。
ふと、そんなことを思いながら懐かしい気持ちで一年前を振り返りました。
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