振袖を着る
2022年1月9日は、日本舞踊の発表会でした。
2016年にベリーダンスのフュージョン作品『鷺娘』を自作自演して、その後2020年に書家の方と写真家の方との共同プロジェクトで『鷺娘』の映像作品を創る事になり、その為に少しでも和の風情や所作を学びたいと日本舞踊教室の門をたたいたわたし。
お教室に行って、玄関での靴の脱ぎ方やひざまづいてのご挨拶の仕方、着物を着た時の歩き方等々踊り以前にお作法さえ全く知らない無知の状態からのスタート。
日本人なのに、大人なのに。情けないやら恥ずかしいやら、お稽古の度にプチ凹みの連続でした。
コロナ禍でお稽古出来ない期間を経て、トータルでやっと1年程通い、『白扇の』という古典曲でのデビューでした。
衣装は成人式の時作ってもらった振袖で。
踊りなので年を経ていても振袖を着て大丈夫だそう。
とは言え、翌日が成人式という日だったのでかなり気恥ずかしく、居心地の悪いものでしたが。
二十歳のときのわたしが一目惚れした無地の緑色のちりめんの反物。振袖に仕立てられ、またこうして年月を経て日の目を見るとは夢にも思わず。人生って面白い。
肝心な踊りの方は今の実力がそのまま舞台で晒されたという出来でした。良くも悪くもなく、ありのままの実力。
まだまだぎこちなく、ベリーやバレエの癖が抜けず日本舞踊とはほど遠いけれど、一つ乗り越えて少し見えてきた景色がある。
未知の世界へポンと飛び込んでみると、今まで生きてきて経験した事が全く役に立たず、右往左往する自分が居る。
だけどその中でどうすべきか全身全霊で見て感じ、試行錯誤しながら手探りで前に進む。
これこそが人生の宝なんじゃないのかな、とふと思ったり。
未知のものを経験する事。
幾つになってもチャレンジャーでいられるって素敵な事だと感じました。
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